お子様との接し方の提案

吃音のあるお子さんとの接し方の提案  

お子さんの特性に合わせた「特別な環境」を整えることが効果的です

 
  • 前述したように、これまでの研究の結果から、吃音があるお子さんには、言語・認知・運動発達の遅れや偏りや、情緒・情動の不安定さなどの素因的な要因があるお子さんが多いことが示唆されています。このことは、お子さんの吃音の問題を軽くするためには、これらのお子さんの特性に合わせた「特別な環境」を作ることが効果的であることを示しています。
 
  • 吃音があるお子さんの特性に合わせた「特別な環境」には、以下のようなものが考えられます。
    • お子さんとお話をする時に話しかける大人の側が「ゆっくり」、「ゆったり」とした話し方で話す。
    • お子さんと話す際に、お子さんの話す速さと同じが、少しゆっくり目ぐらいの速さで話す。
    • 子どもが話し終わってから、一呼吸置いてから子どもに話しかけるようにする(発話と発話の間に十分間を取りながら関わる)
    • 子どもがお話をしている時は、相づちやうなづきなどをしながら、出来るだけ最後までお話を聞く。子どもがお話をし終えるまで、大人の側から、別の話題などを話さないようにする。
    • 家事などで忙しい時は、「あとで、お話を聞くから待っててね」などと言い、あとで必ずお話を聞く時間を設ける。
    • 兄弟同士で、保護者に対して先を争うように話しかけるような状況がある場合は、「順番に話す」というルールを設け、発話の最中に話を割り込まれることがないようにする。
    • 子どもに対して「ゆっくり」、「落ち着いて」などの声かけは極力控えるようにする。
    • 生活全般をゆったりと落ち着いたものにする
    • 毎日の生活にゆとりをもたせるために、早寝・早起きなどの規則正しい生活習慣の確立や、朝や夕方などの忙しくなりがちな時間帯の過ごし方に気をつける。
    • 休日や放課後などに、予定(お稽古ごとなど)を入れすぎないようにする。
    • 短い時間で良いので、毎日の生活の中に、子どもと保護者とで一対一でじっくりとかかわる時間を設ける(たとえば、夜寝る前や、お風呂の中、学校や園から帰ってきておやつを食べる時間など)
  お子様との接し方の提案2  

お子さんが吃音の問題に気づいている時は、吃音のことをタブーにしないで、フランクに話し合える関係を作ることが大切です

 
  • 多くの保護者の方は、お子さんが自身の吃音のことを話してきたときに、動揺して、どのように話してよいか分からず、ついつい曖昧に、ごまかすようにして話を終わらせてしまうようです。しかし、このような対応は、お子さんの側からすると、「このことは、話してはいけないことなんだ」、「このことを話すとお母さんを困らせてしまうんだ」というメッセージを与えてしまうことがあり、お子さんが吃音の子とを誰にも相談できず、1人悩み苦しむ状況を作ってしまう可能性があります。そこで、お子さんが、自身の吃音の問題に気づいている場合は、吃音のことをタブーにしないで、フランクに話し合える関係を作ることが大切になります。吃音のことをフランクに話すためには、私は、普段から、以下にあるような準備や心構えをしておくとよいでしょう。
    • 「吃音の話し方」は、「くせ」のようなものであり、悪いことやいけないことではないことを伝える。背が高い子と低い子がいるように、話し方にも色々な話し方があるということを話すことも有である。
    • 子どもが吃音の話をしてきた時のことを想定し、あらかじめ、どのように対応すればよいか準備をしておく。
    • 普段から、吃音以外の悩みの相談などにも良く応じるようにし、吃音のことで悩んだときに相談することを子どもが躊躇しないような関係を作っておく。