2013 東京都難聴言語教育協議会全体研究会講演 「吃音がある子どもの支援で大切と思うこと〜当事者と研究者の双方の視点から〜」

  • 日時
    • 2013年4月23日
  • 会場
    • 中野ZERO
  • 講演名
    • 吃音がある子どもの支援で大切と思うこと〜当事者と研究者の双方の視点から〜
  • 講演の概要
    • 通級指導教室における吃音がある子どもの支援で大切に思うことについて、吃音当事者としての体験、研究者として教育臨床や之まで行われた研究で得られた知見を踏まえ、提案を行った。吃音とは、単に「吃る話し方」があることが問題なのではなく、「吃る話し方で困ること」があることが問題であること、吃音の改善とは、単に「吃る話し方」がなくなることだけでなく、「吃ることで困ること」がなくなることを指すのではないかと述べた。また、吃音の改善には、吃音がある人の「内側の改善」と吃音がある人を取り巻く「外側」の改善があり、「内側の改善」においては、自己肯定感、自己効力感、志(morale)、スキル、経験などが重要ではないかと提案した。

小林宏明・川合紀宗、原由紀、前新直志・宮本昌子・中村勝則(2013)吃音がある子どもの包括的・総合的評価の現状と課題. 第50回大会シンポジウム報告・自主シンポジウム93 .特殊教育学研究, 50巻5号, 629-630.

  • 概要
    • 吃音がある子どもの包括的・総合的評価の国内外の動向や、多要因・多面的アプローチの基づく吃音の臨床の現状について、話題提供いただくと共に、包括的・総合的評価の現状と課題についての指定討論があった。

「自分を愛する力」を読みました

「五体不満足」の著者、乙武洋匡さんの書かれた新著、「自分を愛する力」を読みました。この本のテーマは、「自己肯定感」です。四肢に重篤な障害を持ちながら、スポーツジャーナリスト、教師、映画俳優、私生活では2児のお父さんとして活躍されている乙武さんは、「自己肯定感」を持つことが、ご自身の人生の支えとなったと述べられています。そして、重篤な障害を持つご自身がどうして「自己肯定感」を持つことが出来たのか、その理由がこの本では述べられています。

 

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「朗読ダイエット」を読みました

朗読ダイエットとは、腹式呼吸での朗読を中止としたトレーニングメニューを日課とすることで、文芸を味わい、体芯からの快活さを取り戻すことを目指したダイエットです。痩せることを目的とはしませんが、朗読を楽しんで行って行く中で、結果的に、理想的なボディーを手に入れることが可能となります(本文6ページの内容を筆者が要約)。

 

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吃音の児童が授業中などに発表する際にはどのような配慮をすればよいですか?

吃音のお子さんの中には、挙手して発表する場面で答えは分かっているのに、「吃ってしまうかもしれないから」という理由で挙手するのを止めるお子さんがいます。また、出席番号順等で順番に指名していく際に、「あと、何人であたってしまう。吃らないで答えられるかな、吃ったらどうしよう」というように心配し授業の内容が身に入らないお子さんもいます。

 

これらの際に出来る配慮としては、「はい、いいえ」や選択肢で答えられる質問を用いたり、板書で答えたりするなど、比較的平易な発表場面や口頭以外の方法による発表場面を積極的に取り入れるなどがあげられます。

 

あるいは、特に自信があって是非発表したい挙手の方法(人さし指をあげて一番の形にするなど)をクラス共通のきまりとして作り、自信がある時(吃音の不安がない時)に優先的に指名するなどの方法も考えられます。

 

さらに、吃音のことをお子さんとフランクに話し合える関係が出来ているようでしたら、吃音がある子どもと事前に、どのような質問だったら答えられるかについて話し合っておき、答えられそうな質問の時に優先的に指名するという方法も考えられます。

 

なお、挙手ではなくて先生の方から指名して発表する場合についてですが、前述したように出席番号順などで順番に指名していく時には、自分の発表しなくてはいけない場面がおおよそ予測がつくため、不安を感じてしまうことが多いようです。そこで、ランダムに指名をする方法をとると、自分の順番の予測がつかなくなるので、自分の指名される順番を待つ際の不安を軽減することが出来るようです。

吃音とは(2) 吃音の心理面の特徴

吃音の問題は、上述したような単に言葉が出てきにくい(吃ってしまう)という問題だけにとどまりません。以下に述べるような心理面の問題も非常に大きいといえます。吃音の心理症状について、大きく、幼児期における問題と、小学校高学年から中高生以降における問題の2つに分けて考えていきたいと思います。

 

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学齢期の吃音を取り扱っている専門機関にはどのようなものがありますか?

吃音を取り扱っている専門機関としてまずあげられるのが、小中学校に設置されている言語障害児通級指導教室(ことばの教室)です。ことばの教室は、地域の学校に設置されているため学級や地域との連携が取りやすい点、単に吃音の言語症状の軽減だけを目指すのではなく教育的な観点から長期間にわたる幅広い支援が得られやすい点など、吃音の指導や支援にとって望ましい条件が広くそろっていると思います。これらのことから、ことばの教室は、吃音をもつお子さんの指導や支援を検討する際の第一の選択肢となると考えられます。

 

また、総合病院など比較的大きな病院や療育機関等には、言語聴覚士ということばのリハビリの専門家がおり、吃音の指導支援も行っております。ただし、言語聴覚士の中には、小児だけとか成人だけを扱う方や、吃音の指導支援は行っていないという方もいらっしゃいますので、事前に吃音の相談を受け付けているか確認する必要があります。

 

あと、教育や医療系の大学の中には、附属の相談室やクリニックを併設している場合があり、吃音の指導や支援を受け付けている場合があります。これらは、無料、もしくは比較的安価で利用出来る場合がほとんどですので、近くにそのような機関がある場合にはご利用になれると思います。

学齢期の吃音の指導とは、どのようなことをするのでしょうか?

実際には、お子さんの状態を見て指導方針は決定されるのですが、私の考える学齢期の吃音指導の一例を示すと以下のようになります。

 

  • 環境調整(家庭環境の調整、学校環境の調整)
  • 吃音症状の軽減に目指した直接的指導(「流暢に(吃らないように)」ではなく、「楽に」話すことを狙う)
  • カウンセリング的指導(吃音についてオープンに話せる場所の確保。吃音を持つ仲間同士のグループ指導を含む)
  • 発話・コミュニケーションに関する指導(単に「吃らない」ことを狙うのではなく、効果的な発話・コミュニケーションをする方法を学習したり経験する。模擬面接などを含む)

 

実際には、お子さん本人や、保護者の方や学校の先生の希望や、吃音の言語症状、心理的な問題の大きさなどを考慮して、これらの方法を組み合わせた指導計画を立てるようにしています。